TSRP blog

TSRP(東海大学学生ロケットプロジェクト)は,ロケット開発を行う東海大学チャレンジセンター所属の学生団体です.

バルブシステム開発担当として主張したい事 

どうも,燃焼班バルブシステム担当の岸里です.

北海道大樹町より帰ってまいりました.
関東ではもう梅の花が咲いており,
春が確実に近づいているのを日々感じております..

さて,前回の私の記事では,バルブシステムを説明すると言っていました.
長らく更新滞り申し訳ありません.

開発の背景から具体的なシステム,今までのシステムとの相違点等
を纏めていましたらブログの範疇を超えてしまい,どうしようかと悩んでいたら
時がたってしまったという次第です...

そこで,今まで書いていた記事を白紙に戻しバルブに関するホットな話題を紹介しつつ,
説明をしていく事にしました.

今一番ホットな話題と言えばこのブログやツイッターでも
報告をしました,3月6日に北海道大樹町にて打ち上げが行われた
H-40号機です.

H-40.jpg
図:打ち上げ直前のH-40号機

H-40号機のミッションの一つに次世代型バルブシステムの実証という物があります.
ここでは,バルブシステム開発統括として主張したい事を書きます.

バルブシステム初の実証実験は2015年3月にH-36号機に搭載され行われました.
H-36号機に搭載されたバルブシステムの正式な型番はFVS238-62となっています.
対して,今回H-40号機に搭載された物の型番はFVS538-62T改となっています.
(ここら辺の数字の詳しい意味等はまた別の機会で紹介します.)

FVS238からの主な変更点は,以下の通りです.
・地上設備との接続方式
  →逆ランチステムから丸型供給アダプタへ(後日詳しく説明します.)
・配管構成
・予備燃焼用酸素の供給方式
  →アクリルステムによる逆供給方式から順供給方式へ

・地上設備
・GSE
・搭載バルブ制御回路

とまあ,要するに変更点はほぼ全てなのです.これらの変更により次世代型バルブシステムは
大幅な軽量化,省スペース化,高信頼性化を実現しました.
この中でも「予備燃焼用酸素の供給方式がH-36号機と違う」という事を私は今回主張したいのです.
私達のロケットは酸化剤として亜酸化窒素という液化ガスを使用しています.
このガスを使用して燃焼させるために,まず,酸素ガスで燃料を予備燃焼させ,エンジン内を
暖めてやる必要があります.

H-36号機に搭載されたバルブシステムでは開発項目を減らすためアクリルステムと呼ばれるアクリルパイプ
をエンジンのノズルから挿して点火用ガス酸素を供給していました.


H-36高端部
図:打上げ準備中のH36号機,後端部 透明なパイプがアクリルステム

しかし,この方法だと燃焼室内部に物を突っ込むことのなるので,
バルブシステムの開発目的の一つである,
「燃焼室内に突っ込む物を廃す事により,内部コンポーネント損傷のリスクを低減
かつ,設計の自由度を増す」
という事を達成できていない事になります.

では,H-40号機ではどうなっているのかというと,
酸素ガス供給路が,機体側面のDUMP弁制御用つまみと集合化されており,
そこからエンジンの最上流へ供給されるようになっています.

つまみ
図:機体側面から伸びるDUMP弁制御用つまみ 中心の穴から酸素ガスがエンジン内へ供給される


DUMP.jpg
図:機体内へ酸素を供給し,かつDUMP弁を回すための外部エアアクチュエータ


H40ランチャ後ろ
図:ランチャにセットされたH-40号機を後ろから 
   ロケットに左右から何か接続されているのがわかる
   右側が酸素ガス供給とDUMP操作を行うためのアクチュエータ,
   左側が主酸化剤の亜酸化窒素を充填する流路

この機体側面から酸素ガスを供給する方式にした事によりノズルに何も挿す必要がなくなりました.
つまり,何を主張したいかというと,
「H-40号機搭載型バルブシステムはステムを完全に廃した真のバルブシステムなのである」
という事です.
(これが言いたかった...)

バルブシステムと今まで使用していた旧システムとの違いについては,
また,後日詳しく書きます..

それではまた次の機会で



宣伝ですが,
明日3月13日(日)に東京都板橋区ハイライフプラザいたばしにて開催される
「東京とびもの学会」にSRPも出展いたします.
http://tokyo.tobimono.org/

展示内容は
・H-29号機 半断面モデル
・バルブシステム関連数点
・H-40,H-41打上映像
となっています.

今回持っていくバルブシステムですが,開発の難航により搭載キャンセルとなってしまった
幻のH-35号機搭載型バルブシステムと,
これまた技術的トラブルで開発を断念した
幻のH-40号機搭載型バルブシステム初期検討モデル
というなんともマニア受けしそうな構成になっています.

ぜひお立ちより下さい.

category: 燃焼班

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